ロータリーダンパーのよくあるご質問

ロータリーダンパーの基本情報について

Q: ロータリーダンパーを使うと、なぜ蓋やドアがゆっくり閉まるのですか?

A: ロータリーダンパーには内部にオイルが封入されており、
蓋やドアに連結したシャフトを回転させることによってオイルが攪拌され、
または、狭い流路を流れるようになっているので、
オイルの粘度(ねばり)が抵抗力となって蓋やドアをゆっくり動かすようになっているからです。
関連情報: トイレのスローダウン機能とは|なぜ蓋がゆっくりと閉まるのか
ロータリーダンパーとは?

Q: ロータリーダンパーの主要材料は何ですか?

A: 樹脂(POM、PBT、PA等)、亜鉛ダイカスト、シリコーンオイルなどを使っています。
樹脂やダイカストは、金型を製作することによって複雑な形状を量産出来る材料なので、ロータリーダンパーの部品に最適です。
更に、樹脂は比較的軽く、耐薬品性や耐熱性などの要求に合わせてさまざまな種類から選定出来ることもメリットです。
ロータリーダンパーはオイルの粘性を利用するので、シリコーンオイルは必要不可欠で、ダンパトルクに合わせてオイル粘度を選びます。

Q: ロータリーダンパーはどのように選んだら良いですか?

A: 大別すると、使い方、トルク、サイズで選びます。
使い方とは、水平閉止や鉛直閉止など「蓋をどのように閉めるか」ということを意味していて、蓋の閉まり方によって選定するロータリーダンパーが変わります。
トルクは、蓋の形状や重さによって決まるもので、サイズとは、ロータリーダンパーの大きさのことです。
大きなトルクが求められるほど、ロータリーダンパーは大きいものを選定することになります。
関連情報:           ロータリーダンパーの選定方法

Q: 回転角度に制限があるのですか?

A: 有限角タイプは回転角度に制限があります。
有限角タイプは、ロータリーダンパーの内部に隔壁を設け、狭い流路にオイルを流すことで高いトルクを得る構造になっていますので、その隔壁があることで回転角度制限が生じます。
関連情報:           ロータリーダンパー製品一覧

使用環境について

Q: 屋外や塩害地域(沿岸部)での使用は可能ですか?

A: 基本的に使用可能です。
ロータリーダンパーは、オイルを封入するためにゴム部品でオイル漏れしないようにしていますので、屋内以外でも機能します。
弊社カタログ製品において、樹脂を使った製品は太陽光(紫外線)による加水分解に注意が必要ですし、亜鉛ダイカスト製品は白サビの懸念があります。
いずれも太陽光が直接当たらないようにすることや、雨が直接当たらない場所へ取り付けることが対策となります。

Q: 氷点下でも使えるロータリーダンパーはありますか?

A: 一部のロータリーダンパーには低温環境での使用実績がありますが、温度によって粘性が変化するため、厳しい条件下では個別評価を推奨します。

耐久性について

Q: ロータリーダンパーに直接荷重をかけても大丈夫ですか?

A: 蓋の回転中心にダンパシャフトを挿入する組み付け方ですので、蓋の自重がロータリーダンパーにかかります。
水平に閉まる蓋の場合は、蓋を90°開いたときに蓋の自重を受ける状態になります。
このとき、ロータリーダンパーのシャフトを出来るだけ深く蓋へ挿入するように設計して頂くことが好ましいです。

Q: 仕様より高いトルクで使用した場合、どうなりますか?

A: ロータリーダンパーの仕様よりも高いトルクで使った場合、ダンピングトルク不足となり、蓋はゆっくり閉止しなくなります。
トルク差が大きいほど、ロータリーダンパーを使っていない蓋のように勢いよく閉まるようになり、
ロータリーダンパー内部は想定以上の内圧がかかるので、部品破損やオイル漏れが発生し、正常な機能を失う可能性があります。

Q: カタログ上の耐久回数以上の使用は可能ですか?

A: 条件によっては仕様回数以上の実績もございますが、保証対象外となります。長期運用を前提とした評価・検証は別途ご相談ください。

取り付けについて

Q: 取り付け方法を教えてください。

A: ダンパーハウジングを固定側(筐体)、シャフト側を可動部(蓋やドア)に取り付けてください。回転中心に対して適切な配置が必要です。
関連情報:           ロータリーダンパーの使い方|蓋への搭載方法
ロータリーダンパーの使用例と取付け方

Q: ロータリーダンパーの取り付け部に求められる条件は?

A: 剛性が高く、変形・たわみの少ない構造が必要です。取り付け精度が低い場合、ダンパーの性能が正しく発揮されない場合があります。

機能・性能について

Q: 最初の動作は早く、閉まり際にゆっくりとした動きにすることは可能ですか?

A: 可能です。弊社のロータリーダンパーは、蓋の閉止スピードが閉まり際でゆっくりになる動作フィーリングが標準的な動きです。
「閉まり始めがゆっくりで、閉まり際は速く」や、「蓋閉止の中盤のみゆっくり」など、ある程度はご要望の閉止フィーリングに近づけることが出来ます。

Q: ロータリーダンパーの温度特性や耐久性について教えてください。

A: 温度特性や耐久性は、製品カタログに詳細なデータが記載されていますので、ご確認ください。

Q: 蓋が最後まで閉まりません。何故ですか?

A: 蓋が最後まで閉まらない原因は二つ考えられます。
ひとつは、蓋の閉止角度に適合したロータリーダンパーを選定していない場合、もう一つは、蓋の稼働域とロータリーダンパーの動作角度範囲にズレがある場合です。
前者の事例ですが、鉛直にぶら下がった状態が閉位置となる蓋に、水平閉止用のロータリーダンパーを使用すると、
最初はダンピングが利かず、閉まり際が非常にゆっくりした動きとなって最後まで閉まりきらない状態になります。
後者は、蓋が閉位置に来る前にロータリーダンパーのシャフトがこれ以上回転出来ない状態になると蓋は閉まりません。
関連情報:           ロータリーダンパーの選定方法

Q: ロータリーダンパーと直動ダンパー、どちらを使えば良いですか?

A: 目的によって使い分ける必要がありますが、直動ダンパーは蓋を開けた時に見える状態になりますから、
デザイン上で見せたくない意図があればロータリーダンパーを選択すると良いでしょう。
関連情報:           回転ダンパーと直動ダンパーの違い

Q: トルク調整機能付きのロータリーダンパーはありますか?

A: TD27及びTD28シリーズのみトルク調整機能が搭載されています。トルク調整機能付きロータリーダンパーの特注対応も可能です。

Q: ロータリーダンパーのバックラッシュとは何ですか?

A: 蓋が開ける方向から閉める方向に切り替わる際、ダンパーが効き始めるまでに遊びがあります。
この遊びのことをバックラッシュと称しています。バックラッシュの大きさは、内部の微小なエア介在や、内部部品の応答性に依存します。

Q: バックラッシュを小さくするにはどうしたら良いですか?

A:
・取付精度を上げる(ガタツキを少なくして、軸心を揃える)
・複数個使用してトルク値を下げる(例:2N・m×1個 → 1N・m×2個)
・無限角タイプを選択する(粘性流体は一方向に攪拌されていてバックラッシュが小さい)
・外径の大きいロータリーダンパー(TD42やTD89など)を選ぶ
上記でも改善されない場合は、弊社との打ち合わせをお勧めします。

Q: 無限角タイプは逆方向に軽く回せますか?

A: 無限角タイプは両方向ダンパーと片方向ダンパーがあり、片方向ダンパーは、ダンパー方向の逆回転が軽く回せます。
しかし、ワンウェイ機構がオイルを封入したエリア(ダンパー室)に内蔵されているため、オイルシールの抵抗と若干の粘性抵抗があります。
更に軽くしたい場合には、ワンウェイ機構をダンパー室の外に設けるように特注設計すれば、空転トルクは3mN・m(30gf・cm)以下にすることが出来ます。

特注・カスタマイズについて

Q: ハウジングの形状を変更することはできますか?

A: 金型を製作し、金型製作費をご負担頂く前提で特注対応することは可能です。
ハウジング形状は、均一肉厚にして成形時の収縮度合いを安定させる必要がございますので、打合せを必要とします。

Q: 開閉角度を変更することはできますか?

A: 可能です。内部構造の設計変更によって対応いたします。

Q: ほかにもロータリーダンパーの特注事例はありますか?

A: 特注事例の記事をご参照ください。
関連情報:           ロータリーダンパーの簡易特注例

ご希望のロータリーダンパーが見つからない場合や、さらに詳しい情報が必要な場合は、お気軽にお問い合わせください。

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