目次
1.ロータリーダンパー標準製品への部品追加事例
ロータリーダンパーをヒンジ形状のケースに入れて取付容易にする事例
ヒンジケースをご希望の形状で製作し、ロータリーダンパーを内蔵したダンパーヒンジを提供することができます。
TD27/TD28シリーズは、既にブラケットがありますので、ヒンジ形状で提供可能です。
当社カタログのTD27/TD28紹介ページ右下にブラケットの紹介があります。
ロータリーダンパーにアタッチメントを追加した事例
当社の樹脂製ロータリーダンパーでは、シャフト剛性不足となる用途が稀にあります。
剛性改善には、ダイカスト製のロータリーダンパーへの組み換えを提案しており、
例えば、TD99シリーズ(樹脂製)からTD56シリーズ(ダイカスト製)へ変更して頂くようにしています。
(TD56シリーズはシャフトが細めなので、従来は比較的肉薄な対象物への取付に推奨しています)
TD56のシャフト先端にアタッチメントを取り付けることによって、TD99と取付寸法が同じになり、簡単に剛性対策が出来ます。
(カタログ掲載はありませんが、アタッチメントのご用意はございます。)
ロータリーダンパーを搭載したユニットとして提供する事例
ロータリーダンパーの提供のみならず、周辺部品を当社で設計・生産し、ユニット化して提供することが可能です。
例えば、TD100シリーズに組み合わせるSR14というシャフト着脱機構があります。
ロータリーダンパーのシャフト部にSR14を組んだ状態で提供することにより、
別途用意する金属製のシャフト(こちらも提供可能)とロータリーダンパーが簡単に着脱出来るようになります。
海外のトイレットシートは、便器から外して拭き掃除をするニーズがあり、
この着脱機構によって、便座をワンプッシュで外すことが出来るようになります。
便器はシャフトを立てた状態にしてありますので、
便座取付時は、SR14の穴にシャフトを圧挿入するだけで組付け出来ます。
既存製品に特注部品を組み付けて納品する事例も多数ございますので、
ご希望がございましたら当社へお問い合わせください。
2.ロータリーダンパーを部分的に特注した事例
ロータリーダンパーのハウジング形状のみ特注形状とする事例
ロータリーダンパーの標準部品を利用し、ハウジング形状のみ特注設計として提供することが出来ます。
ロータリーダンパーの内部設計は決まっていますので、ハウジング形状の自由度には多少制約がありますが、
お客様が組み付けやすい形状にすることが出来ます。
当社製品で例えますと、TD136がハウジングのみ新規製作したもので、
こちらのロータリーダンパーはTD130が原型になります。
ハウジングを特注形状にする場合は、金型製作費用がかかります。
お客様専用の製品で、他のお客様へ販売することがないため、
当社従来品よりもリードタイムがかかるのが一般的です。
リードタイム短縮には、需要予測、需要情報の共有が必須になります。
ロータリーダンパーのシャフトを特注形状とする事例
当社標準製品の部品を活用し、ロータリーダンパーのシャフトのみを特注形状として生産することができます。
例えば、TD99シリーズの部品を活用し、シャフトのみを特注形状として
お客様がロータリーダンパーを実装する際にポカヨケをしている特注製品があります。
ハウジングの特注設計と同様に、シャフトを特注とする場合にも金型が必要で、
他のお客様には販売しない製品になりますことから、リードタイムが長くなる可能性があります。
(事前情報により、納期短縮が見込める場合がございます)
ロータリーダンパーに取り付けるギア仕様を特注する事例
ロータリーダンパーへの組み付け形状を維持しつつ、
お客様だけのオリジナルギアを製作して装着したものを提供することができます。
例えば、ロータリーダンパーのギアをアイドラとして使用するような場合、
ダンピングトルクは十分であってもギア自体の強度が求められることがあります。
このような場合には、従来POM樹脂で生産しているギアを焼結製に交換することが出来ます。
(焼結ギアの製作にはお客様専用の焼結金型製作費用がかかります)
また、ギアの材質は変えずに、ギア仕様(モジュール、歯数、歯幅など)を特注設計としてものを
組み付けて納品することが出来ます。こちらも専用の金型製作費用がかかります。
ロータリーダンパー(無限角タイプ)をギアなしで供給する事例
当社カタログ製品の無限角タイプロータリーダンパーは、基本的にギアを取り付けた状態で提供しておりますが、
お客様自身が独自にギアを作ったり、専用アタッチメントを作る場合には、
ギアを付けないで提供することができます。
当社製品においては、名称の後半に「・・・(G-L)」とつけたものが
「ギアレス品(ギアなし納入品)」です。
ロータリーダンパーのギア取付用シャフトを特注する事例
ギア取付用シャフトの長さや形状をご要望に応じて変更することができます。
シャフト以外は当社カタログ品の部品を活用するため、
シャフトの太さを変更することは難しい場合が多いですが、
従来よりもシャフトを長くしたり、Dカット形状を変更したり、止め輪用の溝形状を変更することが可能です。
シャフト形状を特注する場合は、ギアなしの提供が多いです。
無限角タイプのロータリーダンパーの従来品に使用されている金属製シャフトは機械加工品ですので、
特注シャフトも金型製作なしで生産します。
3.ロータリーダンパーのトルク特性を特注する事例
ロータリーダンパーのトルク特性変更で動作フィーリングを特注する事例
有限角タイプのロータリーダンパーに求められるトルク特性は一定ではなく、
水平閉止させたい場合には、ダンピングトルクが徐々に高くなるように設計する必要があり、
垂下閉止させたい場合には、ダンピングトルクが徐々に低くなるように設計する必要があります。
(詳しくは「ロータリーダンパーの選定方法」の記事をご参照ください)
例えば、水平閉止する蓋にTD99シリーズを採用した場合、
閉止する30°手前くらいからゆっくりと閉まるような動作フィーリングに設定していますが、
この閉止フィーリングを開閉角度全域でゆっくりさせたい場合には、
シャフトを特注生産することによってご希望の動きを創出することが出来ます。
シャフトの特注生産には金型製作費用がかかります。
ほぼトルクが無いロータリーダンパーを特注する事例
お客様の製品に、蓋のスローダウン機構がある製品と無い製品がある場合に、
ダンピングトルクが発生しないタイプのロータリーダンパーを特注生産することがあります。
当社ではダンピングトルクが発生しないものを「0(ゼロ)K」と称しており、
このロータリーダンパーを供給することによって、
お客様は蓋のスローダウン機構が有る製品も無い製品も同じ部品で組み立てることが可能になります。
4.ロータリーダンパーの簡易的特注のメリット
ワンストップリソース
当社カタログ製品を購入して実装するためにアタッチメントが必要になることがありますが、
既存部品を活用した簡易的な特注製品を供給することによって、
余計な部品をそぎ落とした合理的な設計が可能となる場合があります。
設計段階からご相談頂くことにより、当社製品の提案はもちろん、
お客様が最終的に求めるコアコンポーネントの調達・設計・組立がワンストップで対応頂けます。
ロータリーダンパーの周辺部品提案と供給で性能安定化が図れる
ロータリーダンパーの特注を行う際には、お客様が開示可能な範囲でヒアリングさせて頂きますので、
おのずと周辺設計の提案が出来るようになります。
ちょっとした組付け誤差や隙間の有無によって、ロータリーダンパーの性能を適切に発揮出来ないものが発生し、
例えば、組み付け後に摺動抵抗を拾ってしまって、対象物の動きが非常に遅くなるものが散発し、
量産時にスローダウン機構の個体差が大きくなってしまうことがあります。
このような組み付けによる製品性能バラつきを低減させるため、
お客様が必要とするロータリーダンパーの周辺部品を提案し、
ロータリーダンパーとセットで購入頂くことがあります。
蓋を跳ね上げたいときには、ロータリーダンパーと併用するスプリングやカバー、
プレス部品(板金)などを提案し、セットで購入頂いたり、ユニット化して購入頂くことで、
お客様の製品への実装を簡単にするとともに、
ロータリーダンパーによる実機のスローダウン動作を安定させることが出来ます。
周辺部品とのセット購入は、部品調達先をまとめることにもなり、
購買面でもメリットとなります。
5.お問い合わせ
ロータリーダンパーは、カタログ品のみしか購入出来ないと認識されているお客様が多くいらっしゃいましたので、
今回は従来部品を活用した簡易的な特注事例についてご紹介いたしました。
簡易的な特注生産は、必要最低限な投資で済むメリットがありますので、
完全特注(全部品新規設計のオーダーメイド)を検討する前に是非ご検討頂きたい内容になります。
ロータリーダンパー選定にお悩みの方、カタログ品では使い勝手が良くないと感じた方は、
電話でもWEBでも構いませんので、まずはお問い合わせください。
以下のステップで最適な製品をご案内致します。
第一ステップ:お客様のニーズに最適と思われるカタログ品をご紹介します。
第二ステップ:第一ステップでは最適な製品が見つからない場合、簡易的特注のデザイン提案を致します。
第三ステップ:完全オーダーメイドのロータリーダンパー開発を致します。
皆様にご愛顧頂ける製品提供となりますように、設計段階からお手伝いさせて頂けますと幸いです。