ロータリーダンパーのトルク計算は、有限角ダンパーも無限角ダンパーも基本的には同じですが、ギア付きの無限角ダンパー(ギアダンパー)はギアが噛み合っていることにより、一見複雑に見えます。こちらでは、ギアダンパーのトルク計算方法を解説いたします。
ギアダンパーをラックアンドピニオンの機械要素として使う場合次のように計算します。
常にギアがラックと噛み合った状態で真っすぐ降下することを前提とし、降下対象物となるラックギア及びラックに組付けたシャッターの重さをm、ピニオンギアとして使われるロータリーダンパーのギアピッチ円直径をDとします。
トルクは半径×力ですので、ピッチ円直径Dより半径rを求めます。
r=D/2
自重降下するものをトルクとして扱う場合は、重力加速度をかける必要があるので、トルクの計算は次のように示すことが出来ます。
T=m×g×r
実際に自重降下するのはラック及びシャッターですが、ロータリーダンパーと連結する部分はピッチですので、ピッチ円を基準に噛み合っているものと考え、ロータリーダンパーのギア半径をトルクのパラメーターとして用いることが適切です。
尚、この計算方法はラックアンドピニオンに限らず、ダンパーシャフトにプーリーを組付け、ワイヤーを巻いて重量物をゆっくり降下させる場合も同様です。プーリー外径の接線上にワイヤーが吊り下がり、ワイヤー先端に重量物があるとすると、重量物の重さがmとなり、プーリー半径がrとなります。
こちらから自動計算できますので、ぜひご利用ください。
補足になりますが、弊社の無限角ダンパーのトルク設定は、20rpmもしくは30rpmで回転させた時のトルクですので、この回転速度よりも速く回転させる場合は、低いトルクのロータリーダンパーを選定し、逆にこの回転速度よりも遅く回転させる場合は、高いトルクのロータリーダンパーを選定します。また、ラックを垂直に落とすためのガイドには、降下時に少なからず摩擦による抵抗が生まれます。これが摺動抵抗となり、本計算結果よりもロータリーダンパーに求められるトルクが低く設定されることがあります。自動計算式は摺動抵抗を加味しておりませんので、ロータリーダンパー実装時には、理論値とは若干の誤差が生じることがあることをご承知おきください。
ロータリーダンパーのトルク計算方法|自重降下の場合 まとめ
これまでTOKでは、有限角ダンパーのみトルク計算方法を公開しており、無限角ダンパー(ギアダンパー)のトルク計算方法はカタログにも公開しておりませんでした。そこで、皆様からのご要望にお応えし、新しく自重降下する無限角ダンパー(ギアダンパー)用のトルク自動計算ページを公開いたしましたので、ぜひご活用ください。自重降下せず、スプリングを使用して跳ね上げたい場合はトルク計算方法が異なりますので、お気軽にお問合せ下さい。
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